【開催報告】第6回縁起でもない話をしよう会「がんについてどっぷりと」@鹿児島市和田

【メンバー報告レポート】

縁起でもない話をしよう会

医療や介護・死の問題など、「縁起でもない話」として避けられがちな話題だけれども、本当は語り合うことが大切な話。それらに関するネタを話題提供者に話してもらい、その後に参加者同士で対話する場が「縁起でもない話をしよう会」です。

【過去の縁起でもない話をしよう会の模様】

第1回「死を目前にゆらぐ心」

第2回「最期をどこで生きるか」

第3回「延命措置、5つの選択肢」

第4回「私の半生と反省」

第5回「明日死んでも大丈夫?もしもに備える相続の話」

いつも通りばっちり進行役を務めて下さったひさみさん(左)と、駐車場誘導係で席を外していらしたご住職のかわりに”縁起でもない話をしよう会”について説明をされていらっしゃる関野さん(右)。

今回は、受付でくじを引いて、その番号の席に着席するという新たなスタイルでした。(副住職、受付もろもろお疲れ様でした。) 


がんについてどっぷりと

今回の話題提供者は、特定非営利活動法人がんサポートかごしま理事長の三好 綾さん。

なんと、和田小学校の先輩かつ以前勤めていた会社が同じ(共通の元上司も!)という驚きのつながりがありました。

その他、一般社団法人全国がん患者団体連合会の理事や、つながる想いがん基金の代表を務めていらっしゃいます。ご自身も乳がん患者で、パンダと城田優さんをこよなく愛し、犬と猫を飼っているカラオケ大好きな先輩です。


がん患者サロンなど

1.がん患者サロンゆるり

(鹿児島県民総合保健センター・週2回)

2.出張がん患者サロンゆるり

(部位ごと、地方出張・月1回)

3.グリーフサロンほんわか

(遺族会・同上・月2回)

4.再発がん患者さんのサロン「ガーベラ」

(再発患者サロン・同上・月1回)

5.若者がん患者会きらら

(AYA世代サロン・福祉プラザ・月1回)

※若者=35歳まで。

6.出張がん患者サロン

(鹿児島大学病院、今給黎総合病院、厚生連鹿児島病院、鹿児島市立病院へ出張・月1回)

がん患者サロンに関する情報をまとめて教えてくださいました。

その他、チャリティイベント”つながる想いinかごしま~がんとともに生きる~”や”医学教育”をされていらっしゃいます。また、”いのちの授業”もされていらっしゃって、昨年度は95校からの依頼を受けて、がん患者による”いのちの授業”を8名でほぼボランティアでされたそうです。


がんの話は縁起でもない!?

もし、友達が「がんになってしまったがよ」「がんが治らないと言われた」と言ってきたらどう答えますか?

もし、家族が「もし、お母さんががんになったらさ」「もし、お父さんががんが治らないって言われたらさ」と言ってきたらどうしますか?

そんな問いかけから始まりました。

私、どれも似たような経験があります・・・。

「2人に1人はがんになる」と言われている昨今、大人だけの問題ではなく、子どもたちにとっても、がんは身近な病気になっています。

※身近にがんになった人がいると答えた小学生32%、中学生41%(児童・生徒を対象にした「いのちの授業」実施による「がん」と「いのちの大切さ」に対する意識調査より)だそう。

私たちは何ができるのでしょうか?


見送ってきた仲間たちの人生から

三好先輩がお見送りしてきたお仲間の人生から学ばれたことをお伝えしてくださいました。

がんが治らなかったら不幸なのか。

死んでいくことは不幸なのか。

「未来にいきるあなたたちに、いのちをバトンタッチします。かけがえのないあなたらしい人生を楽しんでね。素敵な出会いありがとう」と子どもたちに伝えた七夕のおじちゃん、ピンクリボンのバッジのお友達、お母さんに八つ当たりしていたけれど「ありがとう」と伝えた若い女性、”ケンタッキー祭り”をした方、ラ王の人、「自分らしく生きるって難しいなぁ」と言った自分らしさ全開だったやまじぃ、緩和ケアを拒否し続けた2人の子を持つ女性。

さまざまな人生の物語をお話くださいました。


道標になった言葉

右胸をとり、リンパ浮腫もある三好先輩ご自身が生きていくための道標になった言葉。

それは、「死ぬために生きているの?」「死ぬまでは生きているよ」「命がもったいない」の3つ。

見知らぬおばさまに言われたこの言葉がターニングポイントになったそう。

私たちも自戒しなければなりません。

ことばには、タイミングが重要です。

目の前に苦しんでいる人がいたとき、

その人はそもそも「救われたい」と思っていますか?

その人は「あなたに」救われたいと思っていますか?

その人は「今」救われたいと思っていますか?

この問いについて考えましょう。

三好先輩曰く、

どうか「押しつけ」にならないように、その人に(ほどよい距離で)寄り添ってほしいと。

どんなに準備したって、どんなによいお看取りだって、寂しいものは、寂しい。その人に会えなくなるのだから。その寂しさやあったかさを生きている者は噛みしめて日々を暮らします、と。

2ヶ月前に父をがんで亡くした私には、今回の話は非常に苦しいものでした。心に蓋をしても、やはり寂しいものは寂しい。県内各地に出かける度に「ここに来たよなぁ」「こんな話をしたよなぁ」と胸にこみ上げるものがある日々です。

全力で心に蓋をし、目から水分が出てこないように水分摂取を控えて臨んだ回でした。


語り合ってみようタイム

話題提供者の話を聞いた後は、参加者同士語り合う時間です。

はじめは、自分自身が「がんが治らないと分かった時、どうやって希望を見つけますか?」という問い。

次に、大切な人が「がんが治らないと分かった時、どうやって希望を見つけますか?」という問い。

このブログを読んで下さっている皆様もぜひ考えて、身近な人と語り合ってみてください。

”がん”や”死”に関することは、タブーではなく、どう生ききるかを考える上で重要なことですから。

嬉しい気持ち、悲しい気持ち、ありがたい気持ち・・・気持ちが揺れ動く2時間でした。


縁起でもない話をしよう会、次回以降のお知らせ

◆7回目◆

日時:2019年7月10日(水)19時~21時

話題提供者:森田 洋之氏(医師・医療経済ジャーナリスト)

◆8回目◆

日時:2019年9月11日(水)19時~21時

話題提供者:竹下 武承氏(きいれ浜田クリニック 医師)

◆9回目◆

日時:2019年11月13日(水)19時~21時

話題提供者:太田博見氏(太田歯科医院院長)

◆10回目◆

日時:2020年3月11日(水)19時~21時

話題提供者:桑迫伸吾氏(遺品整理・生前整理士)

会場は妙行寺の門徒会館(鹿児島市和田1-4-1)です。境内に駐車できます。予約も参加費も必要ありませんので、時間のご都合のつく方はぜひご来場下さいませ。

さらにさらに。

”縁起でもない話をしよう会”は鹿児島市和田を飛び出して各地で開催されます。

5月24日(金)には本願寺鹿児島別院で、6月には鹿児島市喜入で、7月には大阪府で!!!

ご興味のある方は、 縁起でもない話をしよう会(Facebook公開グループ)をチェックして下さいませ。

縁起でもない話をしよう会

医療・介護現場などの死の問題は一般的には「縁起でもない話」として避けられがちな話です。 でも縁起でもない話は、本当は語らないといけない大切な話。 そこで! 有志の集まりで「縁起でもない話をしよう」という集まりを開催しています。ちょっと覗いてみられませんか?どなたでも参加できます。 各地で行われている会の情報や内容のレポートなどをシェア・発信するサイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000